リコード法で100人のアルツハイマー病患者の回復がついに論文発表!

世界で初めてアルツハイマー病の回復を論文で報告したデール・ブレデセン博士らの研究グループが、今回、リコード法により認知機能を回復した症例100例について論文を発表しました。ブレデセン博士らが認知機能の回復を論文化した症例は、これで119例となりました。

詳細はJournal of Alzheimer’s Disease & Parkinsonismに10月19日付で掲載されました。

2014年から相次いでリコード法によりアルツハイマー病やSCI(主観的認知機能障害)、MCI(軽度機能障害)が回復することを論文報告したブレデセン医師らでしたが、併せて19例であったため、症例数が少ないという批評がありました。

今回報告された100例は、リコード法に則りさまざまな医師が治療を行った結果、回復がきちんと数値等で認められ、記録されています。

 

■プレシジョン・メディシンとしてのリコード法

近年、患者さんの膨大な検査データを人工知能などを駆使して解析し、一人ひとりに非常に精密にカスタマイズした治療(精密医療―プレシジョン・メディシン)が注目されています。

ブレデセン博士らは、リコード法の複雑なプロトコルを誰でも正確にそれぞれの患者の検査値を反映して実施できるよう精密なソフトウェアを開発しており、これまでの研究結果は、全例にそのソフトウェアが使われています。患者のデータを解析し、アルツハイマー病のさまざまなサブタイプ(型)を特定して、一人ひとりに最適な治療メニューを組み立てる―リコード法は、IT産業のメッカ、シリコンバレーを擁するアメリカ西海岸という土壌の中で生まれた、まさに最先端の精密医療(プレシジョン・メディシン)と言えるでしょう。

アルツハイマー病はアメリカ人の死因第3位であり、有効な治療法の確立が課題となっています。日本においても、アルツハイマー病は年々増加し、今では認知症の約7割を占めるようになりました。

 

リコード法の主だった治療戦略は、以下の通りです。

1)ボレリア(細菌)、バベシア(原虫)、ヘルペス(ウイルス)などを探し治療を行う、

2)リーキーガット(腸漏れ症候群)を調べ、腸を修復し、腸内フローラを改善する

3)インスリン抵抗性と糖化タンパク質を確認し、インスリン感受性を高め、糖化タンパク質を減少させる

4)不足した栄養素、ホルモン、栄養因子の補給(血管への栄養等の補給も含む)

5)毒素(金属毒素ならびにその他の無機/有機毒素、あるいは生物毒素を調べ、毒への曝露を減少させ、解毒を行う。

 

リコード法で提唱されている生活習慣の改善も、これらの治療戦略に通じています。

今回の論文では、100例の中でも、非常に興味深い3例が細かく紹介されていました。

最初の症例をダイジェストでご紹介いたします。(患者2は1年でオンラインによる認知機能検査が同年齢の9パーセンタイルから、97パーセンタイルに改善しています。時間ができたらまた追記いたします。)。

 

患者1 68歳の仕事を持つ女性

錯語症(違う言葉が出てしまう)がみられ、聞き手が混乱するほどになっていた。うつ症状も現れ、抗うつ薬治療を受ける。買い物、料理、パソコン作業などの日常業務が難しくなり、時計の長針と短針がわからない状態。

この女性は軽度認知機能障害(MCI)と診断され、抗アミロイド抗体の臨床試験に参加しましたが、かえって症状が悪化し、リコード法で回復しました(17ヵ月でMoCAスコア24→30に改善、その後18ヵ月スコアを維持)。